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Lifehacks

18歳の少女は毎日リンゴ3個だけを8カ月食べ続けた。5年後、彼女はこう!

ヴィクトワール・マソン・ドーセールは当時18歳のフランスの高校生でした。卒業試験のために頑張って勉強していた彼女は、ある日の午後、息抜きのためにショッピングに出かけます。しかし、これが悪夢の始まりでした。

Facebook / Victoire Dauxerre Pro

ヴィクトワールは、街でモデルをしてみないかとスカウトされたのです。名門パリ政治学院への進学を考えていた彼女でしたが、きらびやかなモデルの世界への興味から進路を変更し、有名なエージェンシー「エリート」でモデルとしてのキャリアをスタートさせました。

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しかし、それはヴィクトワールが思っていたよりもシビアな世界でした。「誰も『減量しろ』と言うわけではない。でも『9月のファッションウィークでデビューする。サイズは32〜34(日本の5~7号)だから、それが着られないと困る』と言われました」

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真面目な彼女は毎日りんご3個のみを食べ、スパークリングウォーターでお腹を膨らませて空腹感をしのぎました。この他に口にしたのは、1週間に1度の一切れの魚か鶏肉。その結果、スカウトされた時、身長178センチですでに56キロしかなかった体重を、その後数か月で47キロまで落としました。

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小さい服が着られるようになったヴィクトワールはその細い体でパリ、ミラノ、ニューヨークでオートクチュールのショーの仕事をゲットし、華々しい活躍を始めます。アレキサンダー・マックイーンやMiu Miuなどのトップブランドなど一流メゾンのモデルに起用され、気がついたときにはトップモデルの一人になっていたのです。

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しかしその裏には辛い現実がありました。ヴィクトワールは拒食症になっていたのです。「脈が弱く、髪の毛が抜け落ちて、骨粗しょう症になり、生理も止まりました」ショーの間に、気を失ってしまうこともあったと言います。しかし、エリートモデルの地位を手放したくない一心で頑張り続けます。

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彼女の写真には、なんと通常のレタッチとは逆の加工が行われるようになります。太ももや頬を細めるのではなく、もう少しふっくら見えるよう修正されたとヴィクトワールは言います。「モデルの女の子たちは、私が噓をついているというかもしれない。それほど彼女たちはこの仕事を続けたいのだと思う」ヴィクトワールによれば、モデルたちは世間から批判されないように記者や人前では軽い食事をし、カメラのないところで吐いているのだと言います。

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大人への第一歩を踏み出したばかりのヴィクトワールにとって、1人で世界中を移動しつづけなければならないモデルの仕事は孤独そのものでした。落ち込むことが増え、鬱状態になり、徐々に過食症と自殺願望などに悩まされるようになっていきます。モデルを初めて8カ月後、ついに自殺を図ります。「誰も理解してくれませんでした。みんなからは『夢のような生活を手にいれたのに』と言われたけれど、私はそのとき人生で一番惨めでした」ヴィクトワールはその後、完全にスポットライトから身を引きました。

そして23歳になったとき、「どんなに痩せても痩せ足りない―あるトップモデルの日記(原題、Jamais assez maigre: Journal d’un top model)」という本を出版します。この中で彼女はドイツ出身のファッションデザイナー、カール・ラガーフェルドの「シャネルのスーツは胸のある女性には合わない」との発言を強く批判しています。女性は胸があるのが普通なのに、なぜそれに合う服を作らないのかと。

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ヴィクトワールが著書を発表する1か月前、フランスの議会は極端に細身のモデルを禁止する法案を可決しました。議場では彼女が綴った手紙が読み上げられ、賛成票を増やす一助になったと言います。今ではサイズ38に戻ったというヴィクトワールの新しい夢は、女優になることだそうです。

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彼女はモデルを目指す女の子たちに対し、「誰かに痩せなさいと言われたら、逃げなさい」とアドバイスしています。絶対的なかん口令が敷かれていると言われるモデル業界で働く女性のうち、多くが拒食症に苦しんでいると言われています。規制も必要かもしれませんが、それよりも大切なのは、周りからの思いやりや、健康に対する正しい知識なのかもしれませんね。