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ヘルスケア

食べすぎると危ない|身近な食物に潜む危険な副作用

腹八分目に医者いらずと言うように健康を維持したいのであれば、食欲に任せて大食しないことが重要と言われます。そうは言っても、健康やダイエットにいいと言われるとついつい腹八分目を忘れて詰め込んで食べてしまうもの。

では一体どれくらいの量を食べると私たち人間の体には危険が及ぶのでしょうか。カナダのサイエンス系人気YouTubeチャンネル「AsapSCIENCE」が身近な食べ物を例にあげ、度をすぎると凶器に変わる食物を紹介しています。今回、その中よりいくつか興味深いものを以下にピックアップしました。

1. コーヒー:70杯

コーヒーにはポリフェノールが含まれ、抗酸化作用がありシワやたるみにいいと言われています。また脂肪燃焼効果もあり、コーヒーを毎日欠かさず飲む方も多いはず。

しかしコーヒーに含まれるカフェインを短時間で大量に摂取するとカフェイン中毒を起こす可能性があり、頭痛、吐き気、血流増大、幻覚・幻聴と言った精神錯乱を引き起こし自殺をしてしまう可能性もあるそう。とは言ってもコーヒー70杯を飲むことは、ほぼあり得ません。1日の目安を3杯程度としておくといいとのこと。

2. アルコール:13杯(ウイスキー、ショットグラス換算)

これは周知の通り、アルコールは大量摂取することによって急性アルコール中毒を引き起こし最悪の場合は死に至ることも。ウィスキーなどの強めのアルコールは1杯程度に抑え、ほろ酔いを楽しむ程度に抑えるのが賢い選択のようです。

3. 水:6リットル

意外かもしれませんが、水の飲み過ぎも危険。ダイエットのために良質の水を1日2リットル飲むというのが流行しましたが、最近では体重60kgであれば1日1.4リットル程度が適量と低く見積もられるようになったそうです。

その理由は水の飲み過ぎにより体液が薄まってしまい水中毒を引き起こす可能性が高いため。この水中毒は、体内のナトリウム量がほとんど変わらないものの、一度にたくさんの水を飲むことで相対的に水分量が過剰になって起こってしまうそう。低ナトリウム血症の症状としては、頭痛や吐き気、嘔吐などがあり、重度になるとけいれんや意識障害を引き起こし、死に至ることもあると言われています。

4. オレンジ:11,000個

体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンの生成に必要な栄養素であるビタミンC。皮ふや粘膜の健康維持に役立つほか、毛細血管・歯・軟骨などを正常に保つ働きがあります。またストレスやかぜなどの病気に対する抵抗力を強める働きがあるとも言われています。

ビタミンCは私たちの体内で生成することがきず、食物から摂取しなければならない栄養素。過剰摂取したとしても余剰分は尿として排出されるため副作用の心配はほとんどありません。

しかしあまりに大量に摂取しビタミン過多の状態に陥ると、肝臓に大きく負担がかかり、下痢や頭痛の原因になることがあるようです。1日に適量はオレンジ1,5個でビタミンC100mgとのこと。体に良いからと言ってビタミンCの摂取過多には気をつけた方が良さそうです。

5. バナナ480本

バナナはビタミンやミネラル、食物繊維がバランスよく含まれ、美肌効果・貧血予防・熱中症予防・便秘予防などさまざまな効果が期待出来る万能フルーツ。中でもカリウムが豊富に含まれ、高血圧やむくみの解消、運動中の筋肉のけいれんを防ぐなどの効果があります。

しかしこのカリウムを過剰に摂取してしまうと、高カリウム血症になる可能性があり、そうなると手指や唇の痺れ、意識障害、ひどい場合には不整脈を起こして危篤な状態に陥ってしまいます。

バナナ480本は無茶に等しい数ですが、体にいいとされているカリウムにもこのような危険が潜んでいたのです。カリウムを適切に摂取し健康を維持するには、1日に2本を目安にしておくといいとのこと。

6. ナツメグ:スプーン2杯

ハンバーグやミートローフなどひき肉料理にはかかせないナツメグ。ナツメグに含まれるピネンという成分は、消化を促進する効能や発汗を促す作用があると言われ、胃もたれにもいいとされています。また食欲を増進させる働きや腸内環境を整える効能があると言われるミスチリンという成分が含まれており夏場の食欲不振などに効果があります。

しかし、このミスチリンは実は過剰摂取すると危険な成分。このミスチリンは抗不安など向精神作用があり、多量に摂取すれば幻覚症状が現れる場合があります。ひどい場合は痙攣や動悸を引き起こし、命を落とすこともあるといわれています。成人の場合、5g以上の摂取で中毒や副作用を引き起こす可能性があるそうです。

7. 胡椒:スプーン129杯

スパイスの王様と言われる胡椒。古くは医薬品や通貨としても使われるなど貴重で高価なものとして扱われていました。現代ではどの家庭にもあるスパイスの胡椒は、ピペリンという成分が代謝促進や胃腸の調子を整え、またカリウムを豊富に含むことから塩分排出を促し、高血圧にもいいとされています。

しかし、この日常当たり前のスパイスも食べすぎると、刺激物なので舌の感覚を麻痺させ、味が分からなくなる危険があると言います。さらには腹痛や胃のむかつき、下痢、嘔吐、胃の粘膜が荒れる症状などが起こり、ひどい時には咳き込んで呼吸困難に陥ってしまう可能性があるとのこと。129杯もの胡椒を一度に摂取することはありませんが、ごく身近なスパイスにもこんな副作用があったのです。

8. サクランボの種:2個(すりつぶした状態)

これまであり得ない量を上げてきましたが(ナツメグは除く)、最後に危険な食物としてさくらんぼの種が挙げられています。サクランボの種にはアミグダリンという有毒物質を含んでおり、消化器官で分解されると微量の青酸を発生させるそう。

通常種を飲み込んだだけでは特に問題はないのですが、種をすりつぶした場合は話が違ってくるとのこと。サクランボの種には青酸配糖体が含まれ、これ自体には有毒性はないのですが、体内で分解される際に発生する青酸により中毒症状を引き起こす可能性があるそう。

種2つで死に至る可能性は低いそうですが、かなりの腹痛が予想されるとのことで、種を間違っても砕いて食べるのは危険と言って良さそうです。

私たちが普段健康にいいと思って食べていたものに含まれる中毒性や危険。ここに挙げた分量は非現実的な量が多いですが、体調がすぐれない時や持病がある場合は、摂取量を普段より多めにしてしまうとこのような危険な状態に陥ってしまうかもしれません。

何事も頑張り過ぎずほどほどに、と言いますが、健康においてもリラックスしてほどほどに取り組むのがいいのかもしれません。

以下よりAsapSCIENCEによる「その食品を、どれくらい食べたら死ぬか」という身近な食物の致死量を解説した動画を見ることができます。(動画は英語となります)

パート1

パート2

食べすぎると危ない|身近な食物に潜む危険な副作用