豊かな海を次の世代に|食べないほうがいい魚5種

和食はユネスコの無形文化遺産に登録され、世界的に関心を集めています。そんな日本の食文化を支えているのが「海の幸」。 小さな島国である日本の魚介類の消費量は世界トップクラスです。

日本人は魚介類や海藻類を食べることから、ヨウ素過剰気味と言われるほどですが、多くの国ではヨウ素欠乏症による甲状腺機能低下症が問題になっており、ヨウ素をとるために魚を食べた方がいいと言われています。また、魚は良質なタンパク質としても高く評価されており、健康ブームの影響で世界的に魚の消費量は増え続けています

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一方で、乱獲や環境破壊により、世界的に水産資源の減少や汚染が問題になっています。海の恵みが失われるかもしれないという危機的な状況のなか、私たち消費者の賢明な判断が海の環境と私たちの食文化を守ることにつながります。

この記事では、特に日本人に馴染み深い魚のなかで、危機的状況であったり、汚染されているために摂取を控えた方がいいと考えられている魚種についてご紹介します。魚を食卓から消さないためにも、ぜひご一読ください。

Approaching death

1. うなぎ:絶滅寸前

世界中で絶滅の危機に瀕しているウナギ。私たちが食べているニホンウナギも絶滅危惧種とされています。ニホンウナギはフィリピン近海まで約2000キロもの旅をして産卵をし、その稚魚がまた日本近海へと回遊してくるという不思議な生態を持っています。よく「中国産や韓国産を食べれば問題ない」という意見がありますが、東アジアで捕れるニホンウナギは同一種。絶滅すればもう食べられなくなります。誠実な漁業者は、ウナギの個体数が回復するように努力しています。消費者としては資源量が回復するまでは「迷ったらウナギは食べない」と決めるのは賢明な判断でしょう。

2. マグロ:汚染・絶滅危惧・漁法

日本人に馴染み深いマグロ。消費量、漁獲量ともに日本が世界一です。ですから、現在、多くのマグロ種が絶滅危惧指定されている背景に、日本が関わっている事実は軽視すべきではありません。特に黒いダイヤと呼ばれる「クロマグロ」は過去50年で97.4%も減少したと言われています。

マグロは汚染についても懸念されています。マグロのように大型で脂肪含有量が高い魚は、水銀、鉛、ダイオキシンを大量に体内に蓄積しています。そのため、多くの国ではマグロの摂取量の上限が定められています。特に妊婦や高齢者はマグロなど大型魚の摂取量には注意したほうがいいでしょう。

さらに、マグロ漁による大量の混獲(バイキャッチ)も問題視されています。マグロを捕るための網のなかにウミガメ、サメ、クジラ、イルカなど絶滅の危機に瀕している種が見つかることは珍しくないのです。

Tuna steak

3. ニシン:マイクロプラスチック

現在はすべての魚種からマイクロプラスチックが検出されていますが、魚種による違いも大きいようです。アルフレッド・ウェゲナー極地海洋研究所によると、ニシンにはマイクロプラスチック含有量が特に高いそうです。マイクロプラスチックのヒトへの健康影響は現在のところ不明です。しかし、摂取した食品に含まれるマイクロプラスチックは、ヒトの細胞に入り、そこで蓄積されます。そのため、ニシンの摂取量は制限することが望ましいといくつかの環境団体は警告しています。

The excitement is palpable...cormorants coming in flocks (front line) then the eagles, the fishermen are calling out to one another...trying to catch all the movement is impossible

5. 養殖サーモン:化学物質・養殖法

今日では輸入されたサケのほとんどは養殖サーモンです。養殖では、病気を予防するために薬や化学物質が大量に使用されています。養殖サーモンで特に問題なのは、高レベル(肉に認可される濃度の20倍)のエトキシキンを有する点です。エトキシキンは果物、野菜、肉の毒物には厳しい制限値がありますが、養殖魚にはありません(魚の飼料へのエトキシキンの使用は、2020年からEU全域でのみ禁止されます)。

有機認証のある養殖サーモンまたは天然サーモンを選びましょう。

海のエコラベル

私たちが消費者としてできることの一つは、「海のエコラベル」が付いた魚を買うことです。MSC(海洋管理協会)認証は、天然水産物につけられる認証。漁獲量上限や時期、魚の大きさ、他の生物がかかりにくい漁具を使うことを定めるなど、様々な厳しい基準をクリアした水産物にのみ与えられます。また、ASC認証は養殖の水産物につけられるエコラベルです。

msc certification

私たちが食べている魚介類は、豊かな海の賜物。魚介類は生き物なので、再生する量や速さを考えながら利用すれば、いつまでも「持続可能」な形でその恵みを受けることができます。

おいしい魚を次の世代に残すためにも、健康を守るためにも、魚を選ぶときには、鮮度や美味しさ以外にも、持続可能性や環境への配慮についても思いを巡らせてみてください。

プレビュー画像:©︎flickr/Pauline Thomas, ©︎flickr/Derek Keats

出典

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