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チーズやソーセージなどに含まれる食品添加物「リン酸塩」の健康リスク

チーズには「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」があるのをご存知でしょうか。簡単に説明すると、生乳を発酵させたものがナチュラルチーズ。ナチュラルチーズを加工したものがプロセスチーズ。現在、スーパーやコンビニで売られているチーズのほとんどがプロセスチーズです。プロセスチーズは数種類のナチュラルチーズを混ぜ合わせますが、その際に水と油を混ぜ合わせるために添加物のリン酸塩を使用します(「乳化剤」と表示されていることもあります)。

今、このリン酸塩の過剰摂取が問題になっています。というのも、リン酸塩はチーズだけでなく、ハム、ソーセージ、コンビニの弁当、ファーストフード、中華麺、パン、清涼飲料など多くの加工食品に含まれており、人によっては足し算していけば基準値を簡単に超えてしまうからです。

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では、いったいリン酸塩とは何でしょう?

リン酸塩(リン)は自然界にも存在します。たとえば、肉や魚、大豆、木の実などに含まれており、人間の体に必要な必須ミネラルです。ただ、自然界の有機リンは吸収率が低く、血流に入るのはごくわずか。残りは排泄されます。なので一般的に自然のリン酸塩は体に負担をかけません。

一方、添加物として使われる人工的なリン酸塩は似て非なるもの。水に溶けやすく、ほぼ100%が血液中に入ります。ですからリン酸塩が添加された食品を大量に食べると体は文字通りリン酸塩で満たされてしまうのです。

血中のリン酸塩濃度が上昇すると、体はどうなるのでしょうか?リン酸塩の過剰摂取によるリスクを以下に説明しましょう。

1. 腎臓障害

腎臓病の人はリンの摂取に気をつけるようにお医者さんに言われます。腎機能が低下するとリンが尿中に排泄されず、血液中に蓄積して「高リン血症」になり、体にさまざまな深刻な影響を及ぼすためです。また、健康な人の血中リン濃度が高くなっても、長期的な腎障害の原因になります。

Personal Injury Back Pain

2. 動脈硬化

最近の研究で、体が過剰なリン酸塩を吸収すると、動脈が石灰化することが分かっています。石灰化は動脈硬化を招き、心不全、心筋梗塞、脳卒中などさまざまな病気を引き起こしす。

Arteries

3. 骨密度低下

プロセスチーズの加工では、溶けたチーズにカルシウムが沈殿しないようにするために、リン酸塩を添加して、牛乳タンパク質からカルシウムを放出させています。同じように、リンは体内で骨からカルシウムを放出させてしまうため、骨がもろくなってしまうのです。骨密度については、成長期の子どもや更年期以降の女性は特に気を付けたいところです。

Osteoarthritis, bilateral hip prostheses (artificial joints)

4. 筋肉

リン酸塩を大量に摂取していると筋肉の分解が加速し、筋肉の成長が阻害されてしまいます。

Toronto Walk for Muscular Dystrophy 2011 - Sep 10 - 0031

5. 皮膚の老化

リン酸塩濃度が高くなると、皮膚の再生が悪くなり老化が加速します。ハリのある健康な肌のためにも、加工食品やファーストフードの消費量は減らしたほうがいいのです。

Cheese & crackers--daily image 2011--March 25

これだけ多くの有害作用があると知ると怖くなりますね。もちろん、食品添加物は国によって安全性が確認されたものだけが、基準量以内で使用されています。でも、リン酸塩は非常に多くの加工食品に使用されているため、気づかないうちに過剰に摂りすぎてしまう危険性が高いのです。

最近では、コンビニやスーパーなどでも「無添加」と表示されているものが増えています。できるだけ無添加のものを選ぶ、加工食品を避けて生鮮食品や加工されていない食品を選ぶなどして、リン酸塩の摂りすぎに気をつけましょう。