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麦茶を煮出しして常温放置すると菌が増殖してしまう

夏は冷えた麦茶がおいしいですよね。麦茶はノンカフェインのため、大人も子供も安心して飲めますし、含まれる成分には体温を下げる効果まであります。

そんな麦茶の作り方といえば水出し、煮出し、そしてお湯だしが挙げられますが、その中でも「麦茶を煮出しする方法」にはある落とし穴があることが分かっています。

水出しと煮出し、雑菌が繁殖する危険性という観点から見てどちらが安全かと訊かれれば、多くの人が「煮出し」と答えるでしょう。たしかに「水出しした麦茶」と「煮出しした後、水を張ったボウルなどで急速に粗熱をとった麦茶」とを冷蔵庫で保存したところ、水出しの方が圧倒的に菌の数が増加し、煮出しした麦茶の方が菌の数を少なく抑えられたという結果が出ています。

しかし、多くの人がつい信じがちな「煮出しをすれば麦茶は安全」という考えは、実は大きな間違いなのです。

麦茶を煮出しする場合に問題となるのが、粗熱の取り方。ほとんどの人はヤカンなどで麦茶を煮出しした後、そのまま常温で放置して粗熱を取るかと思いますが、実はこの「常温放置」が隠れた落とし穴。冷える間に麦茶の温度は菌が最も繁殖しやすい30〜40℃になってしまうためです。

でも一度沸騰させたお湯なのに、なぜ菌が繁殖してしまうのでしょうか?これは熱に対して耐性をもった菌が30〜40℃という好条件の下、再び増殖を始めるためです。そのため安全に麦茶を作るには煮出しをした後、すぐにヤカンごと急速にお茶を冷やして冷蔵保存する必要があります。

ちなみにこの方法で作った麦茶を安全に飲むには、4日以内に飲み切ることが肝心。4日を超えると、増殖する菌の量が一気に増えるためです。自分は煮出す派なのですが、ずっと常温放置していました…。気をつけようと思います。

プレビュー画像:©︎Facebook/Natsumi Ishijima, ©︎Facebook/Shinichi Nakagawa