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なぜか続く痛み|心理的要因で起こりうる5つの痛み

多くの人が、腰痛や頭痛、胃痛など慢性的な身体の痛みで悩んでいます。原因がわかり、診断が下され、適切な治療を受けることができれば一番いいのですが、病院に相談しても、はっきりとした原因がわからず、いくつも医療機関を渡り歩く人も少なくありません。

慢性的な痛みの原因解明はどうして難しいのでしょうか?理由はシンプル。例えば胃が痛い場合、胃に異常が生じて痛むという器質的な要因、ストレスや不安などの心理的な要因、そして両方の要因が関連している場合があるからです。残念ながら、身体的な疾患と心理的要因の関連を扱う心身医学はまだそれほど普及しておらず、医療教育において学ぶ機会も十分ではありません。

この記事では、心理的原因で起きることが多い5つの慢性的な痛みについて学んでいきましょう。

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1. 耳鳴り

耳鳴りは、外部に雑音源がなくても聞こえる雑音、異音です。器質的な原因がある場合、つまり身体の中のどこかに雑音を発生させている原因がある場合(他覚的耳鳴)と、身体の外にも中にも音源が存在しない場合(自覚的耳鳴)があります。他覚的耳鳴では、例えば、耳の血管奇形や耳の中の血腫などが雑音源となります。しかし、ほとんどの場合は、自覚的耳鳴で、突発性難聴、頭部外傷、慢性中耳炎、老人性難聴などに続いて発症します。

こうした自覚的な耳鳴は精神的に強いストレスを感じている時に発生することが多いため、心理的な原因の解消が耳鳴りの改善には重要です。同時に、精神的な状況が耳鳴りによる不快感や不安感に大きく関係します。つまり、精神的に安定していれば、耳鳴りがあっても、ストレスは少なく、苦痛も軽減するということです。逆に、耳鳴りの苦痛から精神疾患をきたしたり、既存の心理的問題が悪化したりする可能性もあります。例えば、耳鳴りによって、仕事ができなくなったり、他の人との付き合いが制限されたりして、さらに引きこもってしまう場合がそうです。

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2. 腰痛

腰痛、特に慢性腰痛は、負荷のかけすぎや好ましくない姿勢などの身体的原因だけで説明できないことが多く、ここでも心理的な問題が重要な役割を果たしています。心理的な問題は緊張をもたらすからです。さらに、腰や背中の痛みへの恐怖から、運動をやめてしまう人も多いのですが、これは緊張や関連する痛みをさらに悪化させる悪循環につながります。

腰痛対策としては、日常生活の中でどのように動き回り、どのような姿勢で物を持ち上げ、どれくらいの時間、座っているのかを自覚することが重要です。こうしたことすべてが腰や背中の健康に影響を及ぼすからです。

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3. 関節痛

関節リウマチは、関節や軟骨、骨を侵す病気で、古くから心身症に分類されてきました。現在では、関節リウマチの患者には先天的なリンパ球の機能異常や不活性がみられることがあり、器質的な原因があることもわかっています。しかし、関節の痛みはしばしば心理的な問題と関連するため、病院で身体的な原因がないと診断された場合は、心理的要因に注意する必要があります。

Rheumatoid Arthritis Fingers

4. 胃痛

「緊張して胃が痛い」とか「気持ちを消化するのに時間がかかりそう」といった言い回しは単なる言葉の比喩ではなく、実際の現象です。試験などで気分が悪くなったり、緊張でトイレが近くなるなどは誰でも経験することでしょう。精神と胃や消化器の間には密接な関係があります。胃が痛むときには、身体的な問題があってもなくても、心理的な要因を考慮すべきでしょう。

Tummy Ache

5. 頭痛

頭痛はありふれた痛みですが、頭痛の原因を探そうとする人は稀で、単に鎮痛剤を服用してすませている人が最も多い痛みでもあります。その理由のひとつとして、多くの人は周期的に頭痛に悩まされているものの、長く続かないことを知っており、受診にまで至らないことがあげられます。

鎮痛剤に頼りたくない人は、いつ、どのようなときに痛みが起きているのかを知ることが、今後の予防策になります。特に緊張型頭痛の場合、ストレスや緊張などによる精神的なものが多いです。

Headache and tired

身体のどこかが痛い時は、まずは器質的な原因を明らかにすることが重要です。でも心理的要因による痛みである可能性も常に心に留めておいたほうがいいでしょう。特に、上の5つの痛みである場合はその可能性は高いと考えられます。

メンタルの状態が身体に大きく影響することは以前よりも受け入れられていますが、まだまだ十分とは言えません。心理的な原因による疾患だからといって軽く考えず、他の疾患と同じく、適切な治療を受けるべきだということを覚えておいてください。

プレビュー画像:©︎flickr/Remy Sharp