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Lifehacks

小児病棟では昔から使われている睡眠不足を解消するためのワザ。あなたも試してみるべし。

不眠症や寝不足といった睡眠にまつわる問題は誰にとってもつらいものです。睡眠障害の主な原因は、過度なストレス、生活リズムの乱れ、生活環境の変化などが考えられます。不眠の状態が続くと十分な休息がとれず、意欲低下、集中力低下、抑うつ、頭重、めまい、食欲不振などさまざまな症状が現れます。また、糖尿病、高血圧、肥満などのリスクも高くなることがわかっています。睡眠薬を服用する人もいますが、睡眠薬は優れた睡眠作用を持っている反面、依存性も高いので、できれば常用は避けたいところです。

ではどうすればいいのか?近頃なかなか寝付けない。夜中に何度も目が覚めてぐっすり眠れない。そんな不眠状態が続いているという方に一度見直してもらいたいのは、自宅の寝具環境です。中でも重要なカギを握るのは、掛け布団の重量です。

Sad man holding pillow

中にプラスチックのペレットやマメ、米、穀物などの細かい素材を織り込んだブランケットは、保温性・通気性に優れ、適度な重さ、フィット性があります。このような掛け布団を使うことで、身体に適度な圧迫感が生まれ、まるで抱きしめられているような感覚を体が認識するそうです。

寝ている時も圧力のかかる状態をつくり出すことが、まるでマッサージを受けた後のようなリラックス感をもたらし、不安を解消し、深い眠りへといざなってくれる効果があります。実際、マッサージもある程度強めに圧力をかけてもらった方が気持ちいいですよね。

適度な圧力とともに包まれるような温かさを与えてくれる掛け布団は、幸せを感じるホルモンであるセロトニンだけでなく、メラトニンと呼ばれる睡眠を誘うホルモンを促します。これらのホルモンの働きにより、睡眠薬に頼ることなく眠りにつくことができるようになるというわけです。

ちなみに、多くの小児病棟では、不眠症やなかなか寝付けない症状に苦しむ入院中の子どもたちを寝かしつけるためこのテクニックが導入されているそうです。特に、自閉症の子どもを持つ親たちの間では、情緒の安定をもたらす少し重めのブランケットを役立てている家庭が多いといいます。もちろんこのテクニックは子どもだけに使えるものというわけでなく、大人にも大きな効果を発揮してくれます。

重めのブランケットはオンラインでも購入することができますが、自分で掛け布団に編み込む方が安く済ませることができるかもしれません。また、自作すれば、実際の使用者に合わせてサイズや重量などを調整することができます。ちなみに掛け布団の重さですが、体重の10パーセントほどの重さのものが理想的だそうです。体重が70キロの人の場合であれば、およそ7キロの素材を均等に掛け布団の中に編み込んでいけばいいということになります。しかし、寝具は重すぎると寝返りがしにくくなり、中途覚醒の原因にもなります。呼吸や循環器系の問題を抱えている人にとっては思わぬ害をもたらす可能性がありますので注意してください。

特に裁縫が得意な人であれば、例えばキルトを使って掛け布団を作り、たくさんポケットを仕込むことで様々な素材を入れ替えたり、選択する際に取り除いたりすることができるようなものを作ることもできます。この動画では、裁縫作業を必要としない掛け布団の作り方を紹介しています(英語音声のみ)。

ストレスなど精神的な原因や身体の痛みなど病的原因で眠れない方が多いとは思いますが、日頃から眠りやすい環境をつくるのもとても大事なことです。体に適度な圧力をかけることで、神経をリラックスさせるこの方法、ぜひ試してみて下さい。