人工子宮で子ヤギの赤ん坊を育てる実験が成功

2017年、アメリカのフィラデルフィアにある小児病院で新たな科学革新が達成され、世界中の科学者たちの注目を集めました。 そこでは人工子宮を使用した研究が進められており、ここに移された妊娠初期の子ヤギの胎児が数週間にわたって無事に成長を遂げたというのです。この子ヤギの生物学上の母親は、この子の「出産」に立ち会うことはありませんでした。この技術は、未熟児として産まれてくる人間の赤ん坊を救うための新たな医療技術として確立していくことが期待されているそうです。

フィラデルフィア小児病院の医師や研究者たちは、滅菌済みの密封ビニールバッグを使って人工的に子宮をかたどり、そこを電解質の溶液で満たしました。子ヤギの心臓が脈打つたびに人工のへその緒を伝って血液が送られ、酸素で満たされたガス器具に流れていきます。

およそ105~120日の妊娠期間(人間でいうところの妊娠23週程度に相当)を経た後、子ヤギの赤ん坊はこの人工子宮へと移されました。さらにその4週後、子ヤギの肺や脳が順調に形成されていく様子が確認されます。子ヤギはまるで母親の胎内にいるのと同じように、人工子宮の中で目を開け、口を動かし、身体を振るわせ、体毛も生えそろわせていきます。

この人工子宮は、特に妊娠25週目頃に生まれる人間の未熟児が生き延びる可能性を劇的に改善することができるそうです。「未熟児は、母親の胎内から外の世界に出る間にもう一段階の環境が必要なのです。この人工子宮システムを発展させていくことで、わずか数週で赤ん坊の臓器の発達を成熟させることが可能になります。このシステムは特に超未熟児で生まれてきてしまう赤ん坊には大きな助けとなるはずです」上級研究員のアラン・フレークは話します。

この驚くべき実験の様子はこちらの動画で観ることができます。

研究者たちは、あと3~5年もすればこの新技術を人間が使用することができるようになると考えています。もしそれが実現すれば、未熟児の成長に必要となる重要な期間を補い、健康な赤ん坊として産まれてくることができるようになるという新しい時代が始まるかもしれません。

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