電車やバスで高齢者には席を譲らない方が良い理由

日本では高齢者から断られたという理由で、高齢者に席を譲らない人が増えています。それでも75.9%の人が「お年寄りなど優先すべき人がいた場合は、優先席では席を譲るべき」と考えているそうで、自分はもちろん譲るという人は多いはずです。しかしある学者が「電車やバスでは高齢者に席を譲らない方がいい」と主張して大きな物議を醸しています。

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英国公衆衛生局の顧問アドバイザーを務めるオックスフォード大学ミューア・グレイ教授によれば、公共交通機関で高齢者に席を譲るのは良い行為どころか、高齢者の健康を損ねているのだそうです。さらに高齢者は「エレベーターやエスカレーターにはできるだけ乗らないようにした方がいい」と言います。無慈悲で冷たい意見のようですが、実は高齢者の健康を考えての意見なのです。

高齢者の運動不足

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運動不足が続くと、筋肉や関節が弱まるだけでなく、免疫機能や代謝、さらには認知機能にも悪影響を与えます。歳を重ねるとさらにこの傾向は加速し、病気を患っていなくても運動不足のために着替えや入浴、靴を履くといった日常の動作がより辛くなっていきます。すると多くの高齢者は余計に体を動かさなくなり、体力を失い続けるという悪循環に陥るのです。とくに英国では肥満が社会問題となっているため、ここに肥満の要素が加わればさらに問題は深刻です。

「年を取ったらより一層体を動かすよう務めるべきで、いつもゆっくり横たわっていてはダメなのです」グレイ教授は言います。「年老いた両親のために家の中にエレベーターを導入してあげるのではなく、頑丈で使いやすい手すりを作って階段を登らせるべきです。そしてバスや電車で高齢者に席を譲るのはちょっと待って。高齢者にとって立っているのは素晴らしい運動なのです」

高齢者はできるだけ体を動かすことで、より多くの時間を自立して過ごすことができ、介護費等の社会負担も減らすことができると複数の研究者が主張しています。

高齢者の運動不足を解消する

病気や怪我などを患っておらず比較的健康な高齢者は、以下のような運動を日常的に行うと機敏さが保たれると言います。

・ウォーキング

歩くことでカロリー消費もできますが、筋肉も強化することができます。循環器系にも良い影響を与え、肥満のリスクを減少させます。できれば毎日計30分程度のウォーキングを行いましょう。ウォーキング時は、10mから15m先を見るよう心がけ、背筋をばして視野を広げて歩きます。

・体操

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特にラジオ体操は、立っても座ってもできるので、自分の体力や体調に合わせて強度を調整することができます。指先までしっかりと伸ばし、自然な呼吸、動かしている筋肉に集中しながら行うと効果的です。

・水泳

水中の浮力のおかげで、膝や腰などの関節に負担がかかりにくいので、長時間の有酸素運動が可能になります。水泳前の準備運動と、水泳中の水分補給を怠らないよう注意しましょう。

こうしたエクササイズは決して高齢になってからやればいいものではありません。全ての成人が最低でも1週間に150分の「適度な運動」、週2回の筋力トレーニングを行う必要があるそうです。

そして冒頭のグレイ教授の意見には賛否両論さまざまな意見が集まっています。

「私の夫はパーキンソン病を患っています。どうか高齢者や障害者に席を譲ってください。(中略)席に座るかどうかは高齢者や障害者に決めさせてください」「高齢者を立たせておいたって『活発』になんてならないんじゃないか。バスや電車の揺れで転んだらどうするんだ?間違いなく不活発になるよ」「私は足病医をしているけど、運動不足で動けなくなった高齢者をいっぱい見てきた。運動不足を解消しなくちゃってところだけは賛成する」

皆さんはどう思いますか?

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