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Lifehacks

親指と小指をくっつける。そのとき腱が浮かび上がったら、それは特別な意味を持っている。

現代の人類(ホモサピエンス)は約20万年前に登場したといわれていますが、現在の私たちの姿になるまでには長い時間をかけて様々な進化を経ています。この進化を証明するような痕跡は、例えば体毛や一部の骨などの形で現代の人間にも残されています。これらのいわゆる退化器官は、現代の私たちの体にも未だに備わっているのです。その中でいくつか面白い例をご紹介しましょう。

1. 手首の腱

手のひらを上にして、腕をテーブルにつけてみてください。このとき、親指と小指をくっつけたまま、手を少し上にあげます。この動作で手首の腱がはっきりと現れる人と現れない人がいます。

Youtube/Vox

この腱は、長掌筋と呼ばれる器官の名残だと言われています。この筋肉は上腕部から手首にかけて伸びています。元々は手首の動きをサポートする筋肉でしたが、現代の人類にとっては必要がなくなったため、今では現代人のおよそ13%しか持っていないということです。この筋肉はもはや何の意味も持たなくなってしまったものなので、これがなくても日常生活になんら支障をきたすことはないそうです(少なくとも、見た目の違い以外には)。

Wikipedia

2. 眼球の端のピンク色の部分

眼球の端のほうにあるピンク色の部分はいったい何のためにあるのか、不思議に思ったことはありませんか?このピンク色の部分はほとんどの人が持っているそうですが、現代の人間にとってはなんの意味もありません。これは、いわゆる瞬膜(しゅんまく)という器官の名残りといわれています。この瞬膜というのは、例えば爬虫類が目を閉じるときに使用する器官で、目の保護膜として機能します。人類はこの瞬膜の代わりにまつ毛を進化させたためこの器官は必要ないものとなったのですが、現在でもその痕跡が残っているんですね。

Youtube/Vox

3. ピクピクと動く耳

現代において耳をピクピクと動かす必要性といえばパーティーの余興や一発芸のときくらいにしかありませんが、かつてこの能力は重要な機能を担っていました。耳を動かすことによって音の聞こえる範囲が広がり、周囲の物音を聞き分けることが可能になるため、危険を察知できるようになるのです。現代でも、例えば猫などの動物はこの筋肉を今でも活用しています。

Youtube/Vox

4. 厄介な親知らず

親知らずを抜くのに大変な目に遭ったことはありませんか?急に生えてきて激しい痛みをもたらしてくる割には特に何の必要性もないこの親知らず。忌々しく思った方も多いと思います。親知らずは何のために存在するのか。その理由は過去にあります。かつて人類は、今よりもはるかに硬い植物や木の根を食べていました。食べ物がより柔らかく、より簡単に噛めるようなものに変わっていったことで、私たちの顎もどんどんと小さくなっていき、必要な歯の本数も減っていったのです。現在ではほとんどの霊長類が親知らずを持っていないそうですが、ベジタリアンであるゴリラにはいまだにあるそうです。

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5. 鳥肌

寒いときやゾッとしたとき、鳥肌が立って、全身の毛穴から毛がピンと立つのが感じられると思います。でも、いったいこれは何のためなのでしょうか?人類にしっかりした体毛が備わっていたころ、鳥肌という器官は重要な意味を持っていました。体毛が逆立つことで体温が保たれるだけでなく、危機に直面した時にも体毛を逆立たせて体を大きく見せ、敵をひるませるという効果を生んでいたのです。今日こういった機能は、猫などの動物にみることができます。

Youtube/Vox

いかがでしたか?人類が長年続けてきた進化を実際に目で見ることができるというのは面白いですよね。こちらのビデオでも紹介されています。(英語音声のみ)

人類はこれからはどのように進化していくのでしょう。もしかしたら、コンピューターやスマートフォンなどのデバイスに同時に対応するため目が巨大化したりして!?